洗浄と保湿で髪をいたわる泥:ベントナイトとは

「泥」と聞いて、あなたはどんな印象を持ちますか?

泥なんて汚い印象しかない! なんて思うかもしれません。確かに、一般的に道端や山など、私たちの周辺にある「泥」はきたないであったり、よごれるといった印象が強いでしょう。

ところが、「ある泥」にはとても優れた洗浄力と保湿力があります。それは、ベントナイトという泥です。

ベントナイトは粘土鉱物であるモンモリロナイトを主な原料にした粘土の総称で、界面活性剤ではない洗浄・保湿剤として、洗顔料やシャンプー剤などに多く配合されています。

それでは、ベントナイトはどのようなものなのか、みていきましょう。

ベントナイトは太古から蓄積されていた泥

ベントナイトの元は、数億年前から繰り返されてきた火山活動から噴出した溶岩(マグマ)や火山灰です。

これら溶岩や火山灰が、海水などによって急速に冷やされ、ガラス状に固まったガラス質凝灰岩(ぎょうかいがん※1)が変質し、さまざまな形の微粒子になります。そして、これら微粒子が海や湖の底に溜まっていき、侵食・風化・熱水変質などを受けて粘土質の泥岩であるベントナイトになるのです。

ベントナイトの主成分は、鉱物(※2)の一種であるモンモリロナイトです。他に採掘場所によって、クリストバライト・ゼオライト・石英・沸石・長石・雲母などの鉱物を含んでいるものもあります。

※1:ガラス質凝灰岩とは、マグマが急速に冷えたためにできる、火山ガラスの破片などガラス質の火山灰が固まった岩石のことです。火山爆発によりガラスの中に気泡が作られるため、一粒一粒の凝灰岩の形は同じではなく、三日月形や凹形などをしています。

※2:鉱物とは、海底や地底に蓄積された岩石や火山灰が、地殻やマグマによって熱くなった熱水で化学反応を起こした(熱水変質)、結晶構造を持つ無機質な微細粒子のことです。

採掘場所や色は

ベントナイトは、地殻変動が激しかった約2500〜200万年前の新第三紀にできた地層に多くみられます。日本で採掘される主な産地は、新潟県や山形県・群馬県です。

海外ではアメリカやフランス・北米・イラン南西部など、世界各地で産出されています。

色は白や淡い緑色で、風化すると淡い黄色になります。

ベントナイトの特性

それでは、ベントナイトにはどのような特性があるのかみていきましょう。

豊富なミネラル成分

ベントナイトは、火山爆発により噴出したマグマ(溶岩)が、長い間の侵食・風化・熱水変質を受けてできたものです。マグマは地球の地殻を構成しています。

そのため、豊富なミネラル成分として、鉄・マグネシウム・カルシウム・ナトリウム・カリウムなどのミネラル成分や、ケイ素・アルミニウム・酸素・水素・硫黄・炭素などの主要元素を含んでいます。

かしこい洗浄力:陽イオン交換で汚れとミネラル成分を入れ替え

ベントナイトは、陽イオン交換をする働きがあります。陽イオン交換とは、ベントナイトが持っている陽イオンを放出して、水溶液中の別のイオンを選んで取り込む(吸着)することです。

ベントナイトは陽イオンとして、アルミニウムやナトリウム・カルシウム・マグネシウム・カリウムなどを含んでいます。陽イオン交換によって、これらのミネラル成分を放出します。

その代わりに、地肌や髪の皮脂や汚れであるタンパク質(陽イオン)を、物々交換のように選んで吸着してくれるのです。

つまり、汚れを吸い取って、代わりに肌や髪に良いミネラル成分を与えてくれる、ストレスフリーのかしこい洗浄力といえますね。

高い吸水力・吸着力

ベントナイトは水を吸着する働きがあり、高い吸水性や吸着力があります。また、ベントナイトの構造は小さな板状になっているため、地肌や髪の表面に薄い膜を張ってうるおいを保ってくれます。

そのため、シャンプーに配合することで洗浄しながら高い保湿性も発揮し、地肌や髪にうるおいやツヤを与えてくれるのです。

髪に水分が足りなくなると、パサついた感じになりますよね。洗浄する目的のシャンプーですが、洗いすぎてパサついたり指通りが悪くなっても困ります。髪にもしっかり水分補給です。

また、水分を含んでシャンプー剤を粘り気のあるゲル状にします。

すぐれた膨潤性

ベントナイトは水を吸着して膨らむ特性をもつ粘土として、「膨潤土(ぼうじゅんど)」ともよばれます。水を含むとベントナイトに陽イオンの水分子(H2O)が吸着して、膨張するのです。

膨潤力は、短時間ですぐに膨らみだし、体積が3~10数倍にもなります。

それだけでなく、ナノサイズの超微細粒子になって分散します。そのため、陽イオンの超微粒子が小さな毛穴の奥まで届いて、汚れをガッツリ吸着してくれるのです。

ベントナイトは酸性? アルカリ性?

ベントナイトは、中性〜弱アルカリ性です。

髪の毛は弱酸性なので、中性〜弱アルカリ性であれば低刺激といえます。

モンモリロナイトの中には酸性を示すものがあり、それは「酸性白土(さんせいはくど)」といってベントナイトとは呼びません。酸性白土は脂油を吸着する働き強く、洗濯剤として使われます。シャンプー剤としては、酸性度の高いものは髪がキシムので使いません。

まとめ

シャンプーは地肌や髪の汚れを取る目的で使われますが、洗浄成分は主に界面活性剤です。刺激や洗浄力が強すぎる界面活性剤では、残しておきたい地肌や髪の潤いまでも落ちてしまうので敬遠されているほどです。

今や、髪にやさしいシャンプーといわれるものには、洗浄力や刺激の弱い界面活性剤が配合されています。しかし、それだけではしっかり落としたい脂性の人や、頭皮の臭いが気になる人にとっては、物足りなさを感じてしまうかもしれません。

そこで、天然の洗浄力と保湿性があるベントナイトを低刺激の界面活性剤と合わせたら、いい感じの洗浄力があるシャンプーになりそうですね。

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