エルゴチオネイン

エルゴチオネインについて

エルゴチオネインは硫黄(イオウ)を含んだアミノ酸(含硫アミノ酸)の一種です。きのこ類であるタモギタケやヒラタケ、シイタケなどの菌類や、一部の菌類からしか合成できない大変貴重な中性の水溶性化合物です。

1909年にM.C.Tanret氏によって、ライ麦の麦角(ergot)から初めて発見されました。この麦角を単離したアミノ酸がイオウ原子(thio)を含むことから、ergothioneine(エルゴチオネイン)と命名されました。

また、2005年9月にアメリカの生化学会でビタミンEの約7000倍という優れた抗酸化作用があると発表されています。

種類 水溶性成分
配合目的 抗酸化 DNAの損傷抑制 活性酸素抑制
主な特性
  • 高い抗酸化作用で頭皮の状態を健康に保つ
  • 紫外線などから地肌を守り、頭皮の老化を防ぐ
  • 長期的に使用することで育毛につながる
  • 髪の内部の体積を増やして縮毛矯正につながる
  • 非常に高価な成分

成分の配合目的や安全性・主な特性については、「化粧品成分ガイド(フレグランスジャーナル社)」や「化粧品毒性判定事典(メモタル出版)」などの文献から引用しております(詳しくは参考文献一覧を参照してください)。

エルゴチオネインは髪にうれしいアミノ酸

エルゴチオネインは髪にどういう効果があるのか、色々と調べていくうちに特許や研究発表を見つけることができました。

特許などの文献から引用して、ご紹介します。

縮毛矯正

エルゴチオネインは、縮毛矯正に期待できる成分として研究されています。

天然のくせ毛はなかなか治るものではないので、ストレートパーマをかけたり、ヘアーアイロンで毎日手入れをしている人も多いでしょう。そんな人に朗報です!

下記の「縮毛矯正剤及び縮毛矯正方法」という文献の中に、エルゴチオネインについて書かれたものがありましたので、ご紹介します。

このように髪の毛の立体構造に大きく関与していたジスルフィド結合にエルゴチオネインが置換することによって、髪の毛の体積が増え(髪の毛が太くなり)、天然パーマ等のクセは緩やかになる。

(引用元:縮毛矯正剤及び縮毛矯正方法:橋本厚、小島克也 著)

くせ毛は髪の太さが均一ではありません。そこで、エルゴチオネインが髪の奥まで入り込んで髪の体積を増やし、徐々に太さをそろえてくれるというのです。

育毛

エルゴチオネインは育毛剤の成分にもなるとの研究もありました。

エルゴチオネインの性質として優れた抗酸化作用があるので、活性酸素の働きによる細胞の老化を防ぐ働きがあります。また、老化により傷ついたDNAの損傷を防いでくれるというのです。

髪は頭皮が健康であるからこそ生えてきます。頭皮が死んでいては、髪は生えてきません。

そこで上記のエルゴチオネインの性質から、シャンプーや育毛剤に配合することで頭皮の状態を健康に保つ働きが期待されます。研究の結果、頭皮とエルゴチオネインの関係が下記のように見えてきました。

エルゴチオネインが頭髪の毛根細胞ないし毛母細胞に作用した結果、それらが活性化し、その結果毛髪が発生ないし増殖したものと考えられる。

(引用元:頭髪用剤:橋本厚 著

エルゴチオネインは優れた抗酸化作用から、肌の老化予防に効果があるといわれていますが、毛根細胞にも作用して、髪の毛を育毛してくれる可能性が高いのですね。多くの育毛剤で配合されているのもうなずけます。

難点もある

髪に良い影響を与えてくれそうなエルゴチオネインですが、難点は希少性が高すぎて配合されているシャンプーや育毛剤が高価になってしまうことですね。

また、効果がどれぐらいで出てくるかは個人差もあります。洗い流すシャンプーに配合されている場合は、ある程度の期間をかけて髪の変化をみていくつもりで使われてみてはいかがでしょうか。